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スオムス文庫 ウルリカ-1-2『あなたになって』

 ウルスラはエーリカに守られる。
 私と姉さまはずっとそうやって育ってきた。
 でも、私はそんな関係が嫌で、姉さまから距離をおいたこともあった。
 姉さまだって無理をしていたはずだ。だから何も言わず、私が離れるのに任せた。
 疎遠だった姉妹仲が修復された今でも、ウルスラが守られる側、という関係に変わりはない。
 そのままの関係で、お互いに欲求を満たす方法を見つけられたのだ。

 目を覚ますと、まだ外は暗かった。
「ウルスラー……」
 早く起きすぎてしまった私の肩に、寝ぼけた姉さまが顎を乗せる。
 まるで布団から出て行くなと言われているようだ。
 姉さまにも困ったものだが、私自身満更でもないらしい。どうしても頬が緩むのを抑えられない。
 ロマーニャに出張中の私は、久しぶりに姉さまと再開することが出来た。
 あまり長く滞在することはできないが、それでも1週間は姉さまと共に起居することができる。
 ミーナ中佐が取り計らってくれたおかげだ。
 それだけの間、こうして姉さまと一緒にいられるのは、どれくらいぶりだろう?少しくらい幸せな気分になったって罰は当たらないはずだ。
「姉さま、起きませんか?」
「うーん……、早過ぎるよ……。後635分……」
「そうですか。一緒にいられる時間を10時間35分も無駄にされたいのですね、姉さまは」
 拗ねたような口調で言うと、姉さまは渋々身を起こした。
「おはようございます、姉さま」
「うー……、おはよ……ふぁ……」
 膝を突き合わすように向かい合い、まるで扶桑人のようなお行儀の良さで挨拶を交わした。
「姉さま、寝ぐせが」
「うん……」
 髪を撫で、なんとか寝ぐせを直そうと奮闘しているうちに、姉さまは目が醒めてきたようだ。
「ね、ウルスラ」
「なんでしょう?」
 鼻先20センチの距離で向かい合ったまま、私は手を動かし続けている。
「今日は、私がウルスラになる」
 姉さまのつぶやきには、甘えるような響きがあった。
「私は姉さまのお仕事がわかりません」
「今日は休みだよ。ウルスラも休みでしょ?」
「はい」
「ね、いいでしょ?」
「……仕方がありません。今日は私が姉さまですね」
「……うん」
「では、先に寝癖を直してしまいましょう。
 私は姉さまみたいに、寝癖を立てたまま部屋を出たりはしませんから」
「じゃあ、私がウルスラの髪をぼさぼさにしてあげる」
「遠慮しておきます。はい、姉さま、後ろを向いてください」
「ちぇー……」

 20分後、目の前には私の軍服を着た姉さまが、自前の伊達眼鏡をかけて立っていた。
「ウルスラ、眼鏡なくても見える?」
「少し、不安です。ですがあまり出歩かなければ大丈夫だと思います」
 私はといえば、姉さまの軍服を着て、普段かけている眼鏡を外していた。
 薄暗い上に裸眼なせいで、姉さまの顔が見られない。少し残念。
「変じゃないかな」
「私の格好で姉さまの話し方をされれば、それは変です」
「それを言ったらウルスラも。じゃあ、そろそろはじめよっか、姉さま?」
「わかりました、ウルスラ」
 そうして入れ替わった私たちは、ゆっくりと手を取り合い、ベッドに腰かけた。
「姉さま……」
 ウルスラが切なげに私を呼んだ。
「姉さま……」
 そう繰り返すウルスラの髪を優しく撫でる。
「寂しかった?」
「姉さまと、一緒が良いです」
「わがままだね、ウルスラ」
「姉さまだって、同じように思ってくれているんでしょう?」
「言わなきゃわからない?」
「わかります。わかりますけど」
 優しくウルスラを抱きしめた。私の背中にも腕が回され、ゆっくりと力が入る。
 首筋に鼻を埋めたウルスラは、まるで子犬のように鼻を鳴らしながら、私のにおいをかいだ。
「ちょっと、ウルスラ」
「姉さまのにおい……」
「もう、あまり嗅がないで。恥ずかしいよ」
 そう言いつつ、私もウルスラの髪を嗅いでいるのだから、言えた立場ではない。
 ウルスラは少し体を離し、顔を私の正面に持ってきた。
 この距離なら裸眼でも、外が暗くても、顔がよく見える。
 ウルスラは何かをねだるように瞳をうるませていた。
 こんな顔を見せられると、つい意地悪をしたくなってしまう。
「……今日はダメ」
「姉さま……」
「ダメだったら。あと1週間もあるんだから、ちょっとは我慢しないと」
 するとウルスラは口を尖らせ、拗ねたように呟いた。
「折角一緒にいられる時間を無駄にされたいのですね、姉さまは」
 これには苦笑せざるを得なかった。
 私はウルスラの頭を掴み、優しく唇を重ねた。
 最初は触れるだけ。続けて2度、3度と徐々に深さを増していく。
 5回目でウルスラは私の両腿にまたがり、7回目のキスで舌を入れてきた。
「ん、んん……っ」
「ん、ふっ……」
 侵入してきた舌を押し戻し、逆にウルスラの口内へ自分の舌を挿し入れる。
 ウルスラも負けじと舌を動かした。
 粘りのある水音が室内に響く。私たちの興奮は、さらに煽られた。
 太ももにあたる体温が熱い。お互い汗だくになりながらも、薄い胸を未着させ、舌を絡め合った。
 夢中で口を吸い合ううちに、ズボンが湿ってきた気がする。
 ウルスラも身体をずらし、しきりに私の右腿に股間をこすりつけていた。
 私たちは我慢できなくなった。互いの服に手をかけ、襟を緩める。
 今が朝方だとか、この部屋には同居人がいるだとか、そういう事は一切どうでもよくなった。
 もうウルスラのことしか考えられない。
 もどかしい思いをしながら服を脱がせていると、突然雷鳴のような怒声が響き、淫らなにおいに満ちた部屋の空気を震わせた。
「……ええい、いい加減にせんか!姉妹でなんと淫らな!!」
 振り返ると、バルクホルン大尉が鬼の形相で私たちを見下ろしている。
 我慢できなかったのは私たちだけでは無かったらしい。意味は少しばかり、違っているようだが。
「ウルスラ。お前まで一体何をしている?」
 大尉は入れ替わったままのウルスラに向かってそう言ったので、私たちは危うく噴きだしてしまうところだった。
「ですが、大尉……」
 ウルスラが私の口調のまま、抗弁を試みる。
「問答無用だ。エーリカ、お前もだ。その曲がった根性を叩き直してやる。10分後滑走路に集合しろ。いいな!?」
「えー。それは無いよ、トゥルーデ」
「い・い・な……!!」
「……はい」
「はーい」
 大尉の背中を見送った私たちは、名残を惜しむように短い口づけを交わした。
「今度はトゥルーデの見ていないところでやろうね」
「はい、姉さま」



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