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我儘に触れていたい


 彫刻にするなら、あの身体だ。
 彫刻など微塵の興味もないのに、シャーリーは勝手にそう思っていた。
 白く細く儚く柔らかく華奢で繊細で弾力に富んで滑らか。
 エロい身体だよなぁ。掌に収まる胸とか、細い腰とか、薄い肩とか、いろいろ含めて。
 あの身体を見る度に、むらむらと情欲が燻るのを感じずにはいられない。
 それだけではない。
 少年のような性格と、少女の理想のような身体のギャップも良い。触れているうちに、強がるのも忘れてウブな反応を返してくるのも良い。脱がせると、みるみるうちに白い身体が桃色に染まるのも良いし、裸を見られてかいた、薄い汗のにおいも格別にエロい。
 意識していないのだろうが、こちらの情欲のツボを一々突いてくるのだからたまらない。
 毎晩だって、寝室に連れ込んでヤりたい。
 ヤりたいことは色々ある。
 エロい服を着せかえたり、裸にひんむいて悪戯したり。ベッドに押し倒してセックスしたり、身体をくまなく舐めまわしたり。夜通し道具を使って泣かせたり、延々とキスしながら朝を迎えたり。時たま恋人の真似をしたり、首輪つけて手荒く扱ったり。
 全部が全部エロいことだけど、それがエイラとの関係だ。
 言っておくが、惚れているわけではない。
 お互い、好きな人は他にいる。
 だからこそ、なのだ、この関係は。
 未だ成就しない恋慕の情。
 募る一方の情欲が、二人に肉体だけの関係を持たせた。
 心の繋がりは、まったくと言って良いほどにない。
 どれだけ唇を重ねようと、どれだけ身体を交えようと、二人の気持ちはまったく動かず、戦友のままでしかなかった。
 大した関係ではないのだ。
 どちらかが、いや、恐らくはエイラが、思いを遂げたら終わりになる程度の関係である。
 しかしこの頃、シャーリーは思う。
 終わらせるのが惜しいと。
 意外と、寂しいのかもしれない。
 単純に、相性の良いセックスができる相手を失いたくないのかもしれない。
 もしくは、絶対に成就しない恋慕からの卑怯な逃げなのかもしれない。
 いずれにせよ、シャーリーの気持ちが最初から少しだけ変わっているのは、間違いようのない事実のようだった。
 当人は認めたくなかったが。

「……キスマークはやめろって」
 情事の後、裸で絡み合ったままのシャーリーを、無理矢理エイラは押し離した。
「サーニャにバレたらどうするんだよ」
「バレやしないって。あいつ、ネンネだろ?」
「し、知らねーよ!」
「ちょっと悪戯するだけだよ。いいだろ? 目立たないところにするからさ」
「駄目だって。ダーメ。こら、やめろって」
「……。そんなに嫌がることないだろ」
 恨みがましいシャーリーの視線を、エイラはさらりと受け流す。さっきまで泣きながら嫌々言って喘ぐだけだったのに、今は随分な落ち着きようだ。
「サーニャに見られなくても、ほかの奴に見られてバレるかもしんないだろ。そしたらお前も不味いんじゃないか? もし相手がお前だってバレたら、そっちだってオオゴトじゃないか」
「……そりゃ、そうだけどさ」
 渋々、シャーリーは身体を離した。
「何拗ねてるんだよ、キスマークくらいで」
 エイラが呆れたように呟く。
 キスマークくらい。
 ま、そうなんだけどさ。
 拒否されたらなんとなくもやっとするじゃん、何でもない事でも。
 シャーリーは溜息を付いた。
「お前だって私の胸吸いまくった癖に」
「なっ……!」
「赤ん坊みたいにさ」
「し、してな……、いや、したかもだけど、そんなには吸ってないし」
「あんなに強く吸ってさ。場所が場所だったら絶対痕残ってたなぁ」
 挑発的な笑みを浮かべたシャーリーは、まだ横になっているエイラを仰向けにさせ、その上に跨った。
「……もう一回やってよ」
「え。い、いや、もう今日は疲れたし……」
 顔を横に向けようとしたエイラの顔を、両手で無理やり押さえつける。
「どこでもいいからさ。ちょっと痕残してよ」
「は、はぁ……? いや、だからバレたら不味いって」
「私が気をつければいいんだろ? 問題ないよ。虫さされだって言い張るし」
「隠す気はねーのかよ……」
「だって暑いしなぁ」
 そう言って、シャーリーは汗でべたべたになった裸体を、エイラに押し付けた。
 胸がエイラの身体でに押し付けられ、形を変える。
 エイラがごくりと、喉を鳴らした。
 こいつ、絶対まだヤれるだろ。
「ここんとこにさ、頼むよ」
 首筋を、エイラの顔の前に差し出す。
「嫌だよ。目立つじゃん」
「平気だって」
「嫌だ」
 強情だな。
 シャーリーは再び恨みがましい視線を向けた。
「なんでそんなに嫌がるんだよ」
「なんでそんなにやらせたがるんだよ」
 別に深い理由はない。
 なんとなく、拒否られたから、意固地になっただけだ。
 それ以外に理由なんてない。
「ほら、そろそろどけよ。早くシャワー浴びないと、みんな起きてくるだろ」
 エイラはもう終わりだと言わんばかりに、シャーリーの下で身を捩った。
「それとも汗とか色々なニオイ混ざったままみんなの前に出る気かよ。一発でバレちゃうぞ」
 それもいいかな、と一瞬思ってしまう。
 とはいえ、それをやればエイラとこの関係を続けるのは無理になるだろうし。
「わかったよ、わかった」
 シャーリーは諦めて、身体を離した。
「まったく……」
 頭を掻きながら、半目でこちらを睨んでくる。
 非難するような視線。
 肩を竦めて受け流そうとしたシャーリーの顔が、エイラの両手にホールドされた。
「これで我慢しろよ」
 唇に、エイラの唇が触れ、一呼吸の間をおいて離れた。
「……なあ、エイラ」
「なんだよ」
「ムラッと来た。もう一回、もう一回だけ」
「はぁ!? やめろって! おい、おい!!」


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