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※問答無用というわけです《R-15》

R-15
 ある日の午後。
 薄暗い地下室で、醇子はジェンタイルを押し倒していた。
 ……順を追って話そう。
 まず、醇子の歪みを知ってもらわねばならない。
 かつて、醇子は美緒が好きだった。
 幼い頃は純粋に大好きで、そこに理由はなかった。
 なかったと、思いこんでいた。
 成長し、やがて醇子は気付いてしまった。
 醇子が美緒を好きだった理由。
 それは、美緒が徹子に惚れていたからだ、ということに。
 徹子に対して友達以上の思いを抱く美緒に、醇子は惹かれていたのだ。
 やがて三人の道が別れ、距離と時間が自分たちの関係を友人の位置に固定したとき、醇子は美緒への恋心を失った。失恋とは少し違う、恋慕の消失。そうして三人は、ただの、いや、本当の友人に、なってしまった。
 そのとき醇子は悟った。自分は『他の誰かに恋をする誰か』が好きなのだと。
 趣味が悪いと、苦笑が漏れる。
 思いを遂げようとすれば寝取るしかない。
 それでいて、自分に心を向けられればその瞬間に冷めてしまうのだ。
 思いは遂げられず、人間関係に痼りを残し、渇きにも似た焦がれは癒されない。
 醇子を含めて誰一人として得をしない。
 それでも、醇子は恋をする。
 恋は、感情の暴走だ。御することは簡単ではない。自制心が強ければ強いほどに、抑えつけられた感情の反発は大きく、一度暴れ出すと止まらなくなるものだ。
 そして、話は最初へ戻る。
 醇子がジェンタイルを押し倒しているのは、つまりそういうことだ。
 ジェンタイルに、惚れた。
 ジェーンを愛し抜くジェンタイルに惚れたのだ。

「痛い?」
 醇子の問に、蝋燭の僅かな光に照らされて、ジェンタイルは顔を歪めた。
 痛くないわけはないだろう。
 トラヤヌス作戦負った傷は、決して軽くない。
 わかっていながらあえて聞いたのは、額に脂汗を浮かべたジェンタイルが、表情を崩さなかったからだ。
「暴れないでね。あなた、鍛えてるから。暴れられると関節を外さないといけなくなるわ。それは嫌でしょう?」
 醇子は微笑み、ジェンタイルが微かに怯えた。
 縄で縛っても良かったが、痕を残すと色々不都合だ。
「……何がしたい?」
 ジェンタイルが呻くように呟いた。
「まずは脱がせたいわ」
「ふざけるな」
「本気よ?」
「何をしようと、私をジェーンから奪うのは、無理だ」
 だからこそ、だからこそだ。
 何をしても、ジェーンを思い続けていてほしい。
 それでこそ醇子の欲求は満たされる。
 ……もっとも、言ったところで理解はできないだろうから、微笑みだけを返しておく。
 それを自信の現れと見たか、あるいは真意を計りかねたか、ジェンタイルは口を噤み、濃くなっていく怯えの色を押し隠した。
「じゃあ、脱がせるから。このまま大人しくしていてね、ジェンタイル」
 醇子はジェンタイルのシャツに手をかけた。
 療養中のジェンタイルはシャツを一枚とズボンだけ。脱がせる手間はほとんどかからない。あっという間に裸にされ、ジェンタイルは唇を噛んだ。
「薄暗くて顔がしっかり見えないのがちょっと残念かしら……」
「…………」
 蝋燭の灯りに引き締まった裸体を晒すジェンタイルは、隠しきれないほどの怯えを、表情に乗せていた。
 無理もない。
 負傷で身体は自由に動かず、抵抗もままならない。このまま、好きにされるしかないのだ。
「タ、タケイ……」
「なぁに?」
「今なら、まだ……」
「戻れる?」
「そうだ」
「ダーメ」
 言うと同時に、醇子はジェンタイルの唇を奪った。
 深く深く。
 しかし、まだ舌は中に入れない。
 噛まれるのは火をみるよりも明らかだ。
 それでも唇に歯を突き立てられ、口の中に血の味が広がった。
 醇子は笑った。
 愛しい……!
 屈服しないジェンタイルが。
 この状況にあっても、ジェーンのために己を守ろうとするジェンタイルが。
 たまらなく、たまらなく、たまらなく愛しい!
 醇子は唇を重ねたまま、ジェンタイルの右肩を握った。
 そのまま力を入れる。
 ゴリッとした手応えが、左手を通して伝わってきた。
「……っ!? んんッ!! んんんんんーッッッ!!!!」
 肩を外されたジェンタイルの悲鳴が、醇子の口内で木霊した。
 口の中がビリビリと震え、痺れる。
 快感!
 そして大きく口が開けられたのを良いことに、醇子はジェンタイルの口内に舌を挿入した。
 ジェンタイルは暴れるが、今は口内を蹂躙されることよりも、右肩の激痛が彼女の頭を支配しているらしい。
 醇子はジェンタイルの右肩を握ったり動かしたりしながら、貪るように舌を動かす。
 満足し、ようやく唇と手を放したとき、ジェンタイルは涙を流しながら放心したように天井を見つめていた。
「も、もう、やめろ……」
 ジェンタイルは、か細い声でそう言った。
 懇願ではない。
 だが、強がりだ。
 醇子の背が震えた。
 この期に及んでまだ強がる。
 まだ屈服しない。
 手に入らない。
 一体どこまで愛させてくれるのだろう。
 醇子は涙が頬を伝うのを感じた。
「……ダイスキ」
 満面の笑みと共に、震える声で言う。
 ジェンタイルの顔が恐怖で青ざめる。
 醇子の手が、ジェンタイルの下半身に伸びた。
「タ、タケイ」
 醇子が軍服を脱ぎ捨てる。
「いい加減に……」
 汗に濡れた肌が、密着する。
「問答無用、というわけだ……」
 ジェンタイルは、青ざめた顔を歪め、目を閉じた。
 諦めの表情にも見えた。
 だが、耐えるためだ。
 醇子を煽るということも知らず、ジェンタイルは耐えるために歯を食いしばる。
 醇子の舌が、ジェンタイルの腹をなぞった。


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