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スオムス文庫 サニャイラ-3-1『Small World 1』

「あれ?エイラじゃーん。やっほー」
 夕食のため食堂に入ろうとした私は、小瓶をもったルッキーニに遭遇した。
「お前元気だなー……。
 ん?その瓶……何はいってんだ?」
「虫ー!」
「虫って……この間の件でこりてないのかよ……」
「だってだってー!あれ私悪くないもーん!」
 まぁ、確かにそうかもしれないけど。
「それよりも、また珍しい虫見つけたんだよ!見る?見るー?」
「いや、私は……」
「えへへ……仕方がないなー。はい!」
 私の話を聞かず、ルッキーニは瓶から虫を取り出した。
「どうー?すごいでしょー?」
 得意げなルッキーニ。
 しかし、私の思考は別の方向へ飛んだ。
 黒くて、つやつやしていて、背中に赤いマークのある虫……。
 こんな虫、前にどこかで……。
「っておい!ルッキーニ!」
「あ、飛んだ」
「これネウロ……んぐ!?」
 ネウロイだろ、と言おうとして、私は言葉をつまらせた。
 何かが私の喉に入ってきたのだ。
「あー!!!!?エイラが私の虫食べたー!!!!!!!!」
「げほっげほっ……うえ!?」
 じ、じゃあ、あのネウロイ(?)が私の中に……!?
泣き喚くルッキーニ。
 何を騒いでいる、と声をあげて飛び出してくるバルクホルン。
 何かあったんですか、と顔を出す宮藤とリーネ。
食堂の前はウィッチでごった返し、ちょっとした騒ぎになった。
そこから夕食を取るまもなく、私は少佐と隊長に医務室へと連行された。
「ふむ……確かにネウロイがいるようだが……」
 坂本少佐が捲り上げた眼帯を戻しながら呟いた。
「だが、ほとんど消化されている。
 もうすぐコアも破壊されるだろう。
 あまり悪さをしている様子もないが……。
 どうする、ミーナ?」
「うーん……。
 何分前例のないことだから……。
 エイラさん、身体の調子はどう?」
「んー……少し熱っぽいくらいで、他は何も無いな……」
「そう……。
 それなら、今夜一晩様子を見ましょう。
 明日になっても続くようなら、一度病院で検査した方がいいわ」
 その晩はそれで解散となった。
異変が起こったのは次の日のことだ。
 目を覚ました私は、何か妙な違和感に苛まれた。
別段体調が悪いわけでもなく、どこか痛む箇所があるわけでもない。
 ただ、何か……。
「っくしゅん!あれ……?
 私、裸で寝たっけ……」
 くしゃみをして気づいたが、私は一糸纏わぬまま寝ていたらしい。
サーニャにこんなみっともない格好は見せられない。
 早く何か着るものを。
「……?
 なんか、広い……?
 おっきい……?」
 ベッドから降りると、住み慣れたはずの部屋が普段よりもずっと広く感じた。
 それだけではない。椅子やベッドといった家具も、記憶にあるものよりかなり大きい。
「……エイラ、なの?」
 混乱する私に追い打ちをかけたのは、サーニャだった。
「ち、違うんだサーニャ!
 これは、その、汗をかいたから着替えようと思って!!」
「やっぱり、エイラなんだ……」
 サーニャが近づいて……近づいて……あれ?
 サーニャこんなに背、高かったっけ?
「エイラ……何があったの……?」
「サ、サーニャ?」
 サーニャは私の両脇に手を差し入れ、ひょいと持ち上げてみせる。
「サーニャ、こんなに力持ちだっけ……」
「違うわ……エイラ、小さくなってる……」
「え?」
 今なんて?サーニャ、もう一回お願い。
「エイラが小さくなってるの……」
「えええええええええええええええええええ!!!!????」
 とりあえず私は、サーニャに服を貸してもらい(それでもダボダボだ)、状況を整理することにした。
椅子に腰掛けようとしたが、大きい服が引っかかってなんとも座りにくい。
 四苦八苦してたら、サーニャが膝に座らせてくれた。
「さ、サーニャ?」
「いいから……」
「う、うん……」
 すっごいドキドキする。
 照れ隠しも兼ねて、私は少し、大きな声で喋りだした。
「多分、っていうか、原因は絶対アレだ。
 昨日、夕食の時ルッキーニが虫を持ってきてさ。それを飲み込んじゃったんだ……」
「虫を飲むだけでそうなるの……?」
「その虫がネウロイだったんだ!
 見た目もそれっぽかったし!!」
「そう……。
 エイラ……もう少ししたら、ミーナ隊長と少佐のところに……」
「わかってる」
 眠いだろうに、膝に私を座らせて優しく髪を撫でてくれるサーニャ。
「大丈夫だよ、エイラ……。みんなついてるから……頑張って元に戻ろうね……」
 サーニャの優しい言葉に、私は不覚にも、涙を抑えられなかった。



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