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スオムス文庫 ナオニパ-2-1『救いの神』

 出撃から返ったカンノは、凄く不機嫌だった。
それもそのはず。
 今日の相手は小さい奴らばっかりで、カンノの大好きな大物は一匹もいなかった。
私としてはその分安全だし、ストライカー壊さなくても済むからラッキーなんだけど、
 カンノは食い足りないらしく、帰り道からずっと膨れている。
クルピンスキー中尉も仕方が無いね、と笑ってばっかり。
 カンノの部屋に居候している私への被害は、とんでもなく大きいっていうのに……。
サーシャ大尉に報告を終え、私たちは汗を流すべくシャワー室へ向かった。
服を脱いでシャワー室に入り、蛇口をひねる。
温かいお湯が、芯から冷えた体を解してくれた。
「ふー……。あったかい……」
「うるせぇよ。黙って浴びろ」
「はいはい……」
 ああ……やだなぁ……。いっそロスマン先生に頼んで今夜だけ泊めてもらおうか……。
体を流そうと石鹸を拾いあげた。
 だが、ちょっとばかりぼんやりしていたらしい。
 つるっと手の中から石鹸が飛び出し、
 たまたま蓋が無くなっていた排水口に、ホールインワン。
「うええ……」
 ついてない……。
でも、排水口の奥に行ってしまって石鹸は取れそうにない。借りるしかないか……。
カンノはやっぱり不機嫌で、とても頼めない。
 仕方がない、中尉に頼もう。
「中尉?」
「なにかな?」
 後ろからひょこっと、こちらを覗いてきた。
「すみません、石鹸貸してもらえませんか」
「忘れたの?」
「え……ええ、ちょっと」
 へぇ、と中尉は含みのある笑みを浮かべた。
嫌な予感がする。
「あ、いや、やっぱり結構です」
「そんなこと言わないで」
 ずいっと体を寄せてくる中尉。
両側にしきりがある上、中尉が出口を塞いでいる。身動きが取れなくなってしまった。
おずおずと中尉を見上げると、じろじろと、私の体を眺めていて、少し……いや、凄く怖い。
「あの、中尉?ほんと、結構ですので……」
「遠慮しなくていいよ?私たちの仲だしね」
 どんな仲でしたっけ、私たち。
中尉は手に泡をたっぷりと付けると、私の腕を掴み、擦り始めた。
「ち、ちょっと!」
「洗ってあげる」
「いいです!本当にいいですから!!」
「白くてキレイだね、ニパ君の肌。スオムスの子ってみんなこうなの?」
 私の静止なんて全く聞いてくれなくて、大きな手がぬるぬると動き回っている。
 徐々に腕以外にも伸びてきて、肩、鎖骨、背中、太股と撫で回す。
「ひっ……」
身動き取れず、されるがままになる私。
逃げなきゃ、とは思ったが、出口は塞がれているし、
 いつの間にか、体勢は中尉に抱かれているような状況だ。
何とかしないと、と混乱している間に、手は内股や尻、胸へと伸ばされる。
「や、やめて……」
 そう搾り出すのが精一杯だ。
段々泣きたくなってきた。
「ふふふ……」
 耳元で笑みを浮かべる中尉。
もう、駄目かもしれない……。
「ちょっと!アンタ一体なにやってるの!!」
 ベシーン!
教鞭に尻を叩かれ、中尉が身を反らせた。
「いっ……!?い、痛いじゃないか、エディータ……。叩かれて喜ぶ趣味はないんだよ?」
興ざめした顔で中尉が離れ、ロスマン先生と向かい合う。
た、助かった……。
「今、いいところだったんだけどなぁ」
「へぇ?その話、ちょっと詳しく聞かせてもらえないかしら。もちろん、隊長と大尉のいる前で」
「それはちょっと。それより君もどう?楽しいよ」
 伯爵が受け流し、先生が怒鳴る。
 後は、先生に任せて良さそうだ。
私はこっそりとシャワールームを出て、服を着た。
 先生が来てくれて、本当に助かった。
 でも、何で来てくれたんだろう?まさか、虫の知らせでもないだろうに。
ロッカールームを出ると、カンノが腕を組んでこちらを睨んでいた。
「大丈夫だったか」
「え……う、うん」
 そっか、とつぶやいて、カンノは背を向ける。そこでようやく、私は気がついた。
「あ……。もしかして、先生はカンノが……?」
「……まぁな」
 私を助けてくれたのは、カンノだったんだ。
なんだか嬉しくて、勢いのままカンノを抱きしめてしまった。
「な、なにすんだよ!」
「かんのぉー……ありがとぉー……」
「うわっ!?お、お前泣いてんのか!?」
「ないてないよぉー……」
 カンノの薄い胸に顔を埋め、何故か溢れる涙を拭う。
「汚ぇ!やっぱり泣いてんじゃねぇか!!」
「ないってないってぇ……」
 そんな感じのやりとりがしばらく続いて、最終的に私は一発殴られたわけだけど、
 不思議とカンノは怒ってないみたいだった。



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