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スオムス文庫 芳イラ-6-1『どさくさ』

 サーニャを夜間哨戒に送り出した後は、私の時間だ。
サーニャの分の書類仕事を片付けたり、士官教育の勉強をしたり(スオムスの先輩に宿題出された)、
 部屋を掃除したり、あまりサーニャに見られたくないことをやる。
だってサーニャの前でやるの恥ずかしいし……。それに、陰ながら助けてやるってが格好いいんだ。
そんなことを考えて、ちょっとニヤけつつ掃除をしていると、
「エエエエエエエエイラさん!!!!!」
 バターンッ!と勢い良く扉を開けて、ミヤフジが駆けこんできた。
「あー!お前のせいで集めてた埃が飛んじまったじゃないか!このバカ!」
「そ、そんなことより助けてください!!」
 そんなこととは失礼な。
だが、ミヤフジも相当慌てていて、私のいう事なんて聞いてくれそうにもない。
「なんだ?バルクホルン大尉でも出たのか」
「違います!そこまで深刻じゃありません!でも大変なんです!助けてください!!」
 ミヤフジはぐいぐいと私の手を引っ張り、部屋から連れ出そうと踏ん張っていた。
めんどくせー……。
「まぁ、とりあえず落ち着けって……。話し聞かせろよ。な?」
「あ、は、はい!」
 私はコップに水を注いでやり、ミヤフジは受け取るや一気に飲み干した。
「ふぅ……。え、えっとですね……。その、お化けが……」
「お化けぇ……?」
 また大尉と見間違えたんじゃないか?口には出さないけど。
「違います!私たちの部屋、隣は空き部屋なんですけど……。壁からコツコツって、つつくような音が聞こえるんですよ……」
「悪戯じゃないのか?」
 そんな感じの悪戯、昔やったことあるぞ。危うく拳銃で撃たれるところだった。
「でも、隣の部屋覗いても誰もいなくて……。誰かいるのかって聞いても、返事はなくて……。自分の部屋に戻るとまた音は始まるし……。
 もう怖くて怖くて、エイラさんなんとかしてください!」
「お前サウナで騒いだりとかしてねーだろうなー。サウナの妖精は怒るとこえーんだぞー」
「してませんよぉ……」
 ミヤフジは困り切った様子で、気のせいだから寝ろ!というのはちょっと可哀相だ。
仕方がない、見るだけ見てやるか……。
「ほんとに何もなかったらさっさと寝ろよな」
「ええ!?ち、ちょっとで良いから一緒にいてくださいよぉ」
「そんなんリーネとツンツンメガネに頼めばいいだろ」
「二人ともいないからエイラさんにお願いしてるんじゃないですかぁ」
 腕に絡みつくミヤフジを引き剥がそうと奮闘しつつ、私はリーネとペリーヌが休暇でガリアに行っているのを思い出した。
ミヤフジも行きたがったらしいが、どうしてもスケジュールが合わず泣く泣く断念したとか。まぁ、これはどうでもいいな。
「ここか」
 件の幽霊部屋(仮)に到着。早速扉を開け、中を覗いてみた。
「以上はなさそうだけど……。少し調べてみるか……」
「き、気をつけてくださいね……。私はここで見張ってますから!」
「お前はこねーのかよ……」
 電気が通っていないらしく、スイッチを押してもくらいままだ。尻に入ってくる小さいネウロイの騒動があったばかりだ。空き部屋の修復は、後回しにされてるんだろう。
まあ、窓から月明かりが差し込んでいて、それで何があるかは分かるし特に問題はない。
「思ったよりきれいだな」
「あ、私たち時々お掃除してるので……。毎日じゃないですけど」
 半開きにした扉から、ミヤフジは恐恐と中を覗き込んでいる。こんな状況とは言え、なんだか和むな。
「んー……一通り見たけど、特におかしいところはないな」
「ほ、本当ですか?」
「嘘ついてどうすんだよ。なんならお前も見てみろって」
「い、いいです!それはいいです!!」
「じゃ、もう安心だな。私は部屋に帰るから……」
 はしっ。
部屋から出ようとする私の腕を、ミヤフジは掴んだ。
「エ、エイラさん」
「なんだよ」
「き、今日だけ……、今日だけでいいので、一緒に寝てください!!」
「はあ!?」
 突然こいつは何を言い出すんだ!
「っていうか、エイラさんの部屋に泊め」
「それはダメ!!」
 ミヤフジをサーニャのベッドに寝かせるなんて絶対ダメだし、私が寝るわけにもいかない。一緒に仲良く私のベッドで寝るのは、論外だ。
「じゃあ私の部屋で」
「っていうかお前子どもじゃないんだからさぁ……」
「エイラさんは地下の洞窟に響く『わっしょーい!!』という、怨霊の叫び声を聞いてないからそんなことが言えるんです!」
「なんだよそれ……」
「とにかく、この基地は不思議がいっぱいで、お化けいるんですよぉ……」
 うー……。縋りつくような目で見られると、弱いんだよな……。ほっとけないって言うか……。
「今日だけ……。今日だけだかんな」
「やったあ!!」
 はぁ。もう、仕方がない。
はしゃぐミヤフジを見て、「ま、いっか」なんて呟くくらいには、私もまんざらでもなかった。
その晩、ミヤフジは私の布団に潜り込んできて、最終的に同衾することになってしまう。
本当にしょうがない奴だ。

 余談。
「よーしかっ!ゆうべはよく寝れたー?」
「え、何?ルッキーニちゃん」
「うふふー……。怖くて誰かと一緒に寝ちゃったりしたのかなー……?」
「なっ!?なんでそのこと……。あ、まさか!?」
「なんのことやらー。あ、シャーリー!ご飯たーべよ!」



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