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スオムス文庫 芳イラ-7-1『おしいふたり』

 大きなトラックの脇で、エイラと宮藤は四つ這いになり、ぐったりしていた。
「死ぬかと思った……」
「私もです……」
 一方で、元凶であるシャーリーと、散々それを囃し立てたルッキーニは元気そのもの。トラックの運転席と助手席に並んで座り、元気に声を合わせて歌っている。
 エイラは恨みがましい目で、二人を見上げた。
「じゃ、迎えに来るからなー。集合時間に遅れんなよー?」
「遅れんなよー!」
 文句を言われる前に二人はさっさと退散し、後には情けない格好のエイラと宮藤だけが残された。
「あいつら……。ほ、ほら……、立てるか、ミヤフジ……」
「な、なんとか……」
 ふらふらと、エイラの差し出した手に捕まって立ち上がる宮藤。
「こないだのより凄かった……」
 今回は凄まじい衝撃があって、エイラとミヤフジの二人は、トラックの荷台をまるでボールのように跳ね回る事になった。
 シャーリーが、
「やべっ!?ミスった!!」
 と叫んでいたことは考えないようにした。傷だらけになったトラックについても同様だ。
「で、どこに買い物行くんだっけ……」
「あ、ちょっと待ってくださいね……」
 二人は手を離すのも忘れ、ふらふらと街の中へと消えていった。

 先日、エイラはサーニャと共に超高高度のネウロイを撃破した。
 宮藤が協力してくれたお陰だ。
 あそこで宮藤が手を差し伸べ、背中を押してくれたから、サーニャとは仲直りが出来たし、一層絆を深めることが出来た。
 だから、今日はそのお礼に、食事を奢ることにしたのだった。
 だが、門限もあるのでディナーという訳にはいかない。
 せめて、門限ギリギリまでは荷物持ちなり何なり、付き合ってやろうと思っていた。
「昼メシ……、には、まだちょっと早いよな」
「折角ですし、見物しましょう!」
 宮藤はエイラの手を引いて走りだした。
 エイラは何だか照れてしまう。
 それでも、手を振り払う気にはならず、憎まれ口を叩きながらも宮藤のやりたいようにさせていた。

 結局、昼食を取らないまま街中を走りまわる事になり、ようやく落ち着いて座ることが出来た頃には、15時をまわっていた。
「疲れた……」
「次はお買い物付き合ってください、お買い物!折角なので色々食材買って行きたいです!」
「あいよー……。でも、その前にメシな」
 エイラはヘトヘトなのに、宮藤は疲れが全く見えない。
(まあ、楽しんでるみたいだからいいけどさ……)
 エイラは独りごちた。
「あ、エイラさん、あれみて下さいあれ」
「んー……?」
 宮藤の指す方向に目をやると、長身の女が小柄な女に、手ずからケーキを食べさせているところだった。
「あれ、リベリオンの軍服じゃないか……?」
「かっこいいですねー……。映画みたい」
 憧れるように、宮藤は呟いた。
 確かに長身の方は丹精な顔立ちをしているし、小柄な方も可愛らしい。映画のワンシーンと言われても、納得出来るくらい様になっている光景だった。
「なんだ、ミヤフジも食べさせてもらいたいのか?」
「えっ!?いや、その、違います!!」
「ふーん?」
 エイラは悪戯な笑みを浮かべた。
 そして、自分の前に置いてあったデザートのケーキを小さく切り、宮藤の顔の前へと持っていく。
「ほれ、あーん」
「え、ええ!?」
「あーん」
「あ、あ、え、あ……」
 慌てふためく宮藤の口に、ケーキのかけらはゆっくりと近づいていく。
「遠慮すんなよ。ほら」
 唇に触れそうなところでようやく観念し、宮藤は口を開いた。
「あ、あーん……」
「ひょい」
 だが、もう少しで口に入る、というところでケーキは勢い良くUターン。エイラの口の中に収まった。
 ポカン、とする宮藤の前で、エイラはもぐもぐと口を動かす。
 赤かった宮藤の顔がさらに赤くなり、
「え、え、え、え……エイラさん!」
「んんー?このケーキはうんまいなー」
 顔を真っ赤にしてキャンキャン吠える宮藤。
 エイラは散々からかい倒し、一日を満喫した。

 エイラは基地に帰ってからも、楽しそうにこの事を語った。
 しかし、そのことを聞いたサーニャが何故か機嫌を悪くしてしまい、ヘタれたエイラは、宮藤に逆襲されてしまうのだった。



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